日々、子どもたちと関わっていると、何気ない一言になぜこの言葉を投げかけたのだろう・・・と、
思うことがあります。
そのひとつが「上手?」という言葉。
絵を描いているとき、
字を書いているとき、
そのようなときに子どもから「上手?」と言葉を投げかけられるときがあります。
上手か上手ではないかは、主観ですよね。 私は「○○ちゃんはどう思う?」と聞き返すことが多いです。
そうすると、「いいと思う。」「いいと思うならそれでいいんじゃない?。」と、逆に投げかけます。
最近、このようなことが多いのです。
自分がゆっくり丁寧に書いて、自分が納得しているものであればそれでいいと思うのです。
それを大人が評価することに違和感があります。
もし納得していなければ、自分が納得するまで書けばいい。
ただそれだけのことですが、どうしても人の評価を気にしてしまう。
「上手」と言われて、「上手」という言葉にある意味執着してしまい、
その言葉がないと、「上手」と言われるまで頑張ってしまう。
ずっとその絵を描き続けることもある。
あるいは「上手」と言われなければ、もう興味を失くしてしまうこともある。
子どもはその大人の一言によって、大きく左右される。
それは本当に自己を創っているのか。
大人の評価を気にしているだけなのか。
私が子どもたちから感じ取るのは、自分に自信がなかったり、不安があったりすると
「あってる?」とか「上手?」とか投げかけてくることが多いように思います。
自分のしていることに自信を持つ、自分で判断し、ときには自己訂正をする。
こんな力がやはり幼児期こそ大切なんですよね。
それが自己肯定感に繋がっていく。
そんなことを強く思いました。
先日、エレメンタリークラスでの出来事です。
ある男の子が数字を書いていて、「ぼくは書くのが上手じゃない。先生はぼくの字は上手じゃないと思う?」と
聞いてきました。
私は「 先生は一生懸命に丁寧に書こうとしている子に「上手じゃないね」と言わないし、今までも言ったことがないよ。
もし自分で納得がいかなかったら、自分が納得するまで書けばいいと思うよ。」
と伝えました。
1年生の他の子が通りがかり
「自分を責めちゃいけないよ。丁寧に書くことが大切なんだよ。大丈夫だよ。」と、ひとこと。
他の子どもたちも頷いていました。
上手か下手かで判断せず、お心を落ち着けて目の前のことに真摯に取り組むことの大切さが分かっている子どもたち。
室内が温かい雰囲気に包まれていました。