子どもたちとお仕事をしていると、動きや振る舞いが美しいなと、感じるときが多々あります。
特に就学前の年長さんを見て思うことですが、まさに動きの洗練。
インファントクラスからご入室されているお子様も多く、インファントクラスでは運動の調整を土台として、
粗大運動、微細運動、そして自分の思い通りにならないときに、自分で感情をコントロールする力も少しずつ積み重ねています。
その積み重ねが年長さんになると、自律や自己コントロール、随意筋の発達に繋がると改めて実感します。
先日、年長の女の子Aちゃんと切手あそびをしました。
切手を並べる際、Aちゃんは3指(親指、人差し指、中指)を使い、1枚1枚丁寧に並べている姿がありました。
動きが洗練されていて、美しい。
モンテッソーリがIC(インファント)で運動を大切にしている理由が分かります。
そして、それが一貫してすべてに繋がりがあることが分かります。
書くことや、割り算板のビーズをつまむ、切手あそびの切手を並べる、エレメンタリ―クラスでは花の解剖でピンセットを使うなど、すべてこれらの動きには乳幼児期の土台があります。
もちろん日常生活のなかでも、たくさんの動きの洗練を見ることができます。
例えば歩くこと1つでも、平衡バランスをとりながら歩行、座り方、上履き袋をたたむ、床を拭くなど、動きが洗練されているのです。これは、大人が「こうしなさい」と言って教えたものでもなく、やり方を見せ、その後、子ども自身が動きながら獲得したものです。
もし土台がなく、例えば割り算板をしたところで、ビーズがつまめずに落ちてしまい、その都度イライラして癇癪を起してしまう・・・ということも出てきてしまいます。
何事にも土台は必要であり、大人の目線ではなく、子どもの「今、○○をやりたい」を大切にし、その環境を整える。
その際、大人の「これをして欲しい」という欲を持たず、無の感情がとても大切です。これが一番難しいのかもしれません。
でも、モンテッソーリ先生が仰っていた、「教えることではなく、子どもの自然の発達を援助すること」。これが子どもたち本来持っている無限の力を引き出す鍵となるでしょう。
私自身も、子どもたちの「自然の発達」をよく観察して一緒にお仕事をして参りたいです。